スクールデイズ

□スクールデイズ4
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第一章 卒業一ヶ月前

 僕こと斎賀広太は、いま水島学園の三年生。
 もうすぐ僕達は、この学校を卒業する。
「はあ、なんか静かだよな」
 三年五組の教室で、和樹が寂しそうに呟く。
「何言っているのさ、これが普通の学校だよ」
 今をさかのぼること一年半前、学園祭として行われたクラス対抗バトルロワイヤルという生徒同士の武器を持った戦いが終わってから、僕達の学校から戦争が無くなった。
 なぜなら、学園祭が終わった途端、先生達が勢力を伸ばし、普通の学園にまでこの学園を落ち着かせたからだ。
 いままでが普通じゃなかったんだから、先生達がそうするのは遅かったと思うけれど。
「この学校が平和になったのは、新しい校長先生が来たからかもしれないわね」
「ああ、それはあるかもしれないね」
 去年の学園祭の翌日に、戦争が大好きな校長先生の代わりに新しい校長先生が赴任してきた。
 でも、その新しい校長先生を僕は一度も見たことが無い。それは生徒全員も同じことだ。
 校長先生が赴任してきたら、なにかしら全校集会みたいなのを開くはずだけど、一切そんなものは開かれず、先生から口で伝えられただけだった。
 先生の間では姿を現しているそうだけど、生徒の前では一切その姿を現したことのない、謎の校長先生だと生徒の間では噂されている。
「はあー、学園が静かだと学園防衛隊の仕事がなくてつまんないんだよな」
 結局、あれからずっと三人で活動していたんだから、そろそろ止めた方がいいと思うけど。和樹が居なくなったら、そのうち学園防衛隊も無くなると思うし。
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