スクールデイズ

□スクールデイズ4
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第二章 アイドル武者小路

 水島学園から少し離れたアパートの一室で、男が眠っていた。
 彼は少し前に水島学園に教師として帰ってきた男だった。
 彼はいつも卒業式前になるとこのアパートに戻り、学校へと戻っていき、そして卒業式が終わると、病院行きになっていた。

 ……あああああ! 寝過ごした! 今日は卒業式だぞ!
 しかももう始まっているじゃねえか! 俺が眠っている間に始めるとは卑怯な奴等だ!
 くっそー! 寝癖が直らねえ! が、よし! これが俺のワイルドなヘアスタイルに決定だ! くそっ! 惚れ惚れするほどイカスじゃねえか!
 急いで着替えないと。今日は卒業式、生徒達が俺を待っているというのに。
 ……よし、完璧、鏡の前に立って、ハイ、ポーズ! ……うーん、我ながらかっこいいぜ。
 ……。
 ……はっ! あまりのかっこよさに見とれてしまった! 時間が無いというのに!
 だが、未来のお茶の間のアイドルが、これぐらいでは慌てふためかない! 今日の練習をしておこう。
 俺の名前は武者小路実時!
 うーん、いい感じだ、これならブレイク間違いなしだぜ!
 年齢不詳! 国籍不明! ミステリアスで危険な男だぜ!
 ……はっ! もうこんな時間か! 時間が過ぎるのは早すぎてしょうがない!
 ええい、飯は後じゃー! とにかく、鍵、鍵はどこだ!
 あれが無ければ学校に行けないではないか! 昨日はどこに置いたっけな?
 ……おっ! 見つけた! いやー、俺のワイルドヘアーの中に隠れているとは、おまえもなかなかやるな!
 よし、行くぞ! 高速チャリンコ号!

 彼は自転車にまたがり、水島学園を目指した。
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