その他

□リンダキューブアゲイン そのC
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 ミナゴのメインゲートの前に、ベンが立っていた。
「隊長!」
 ケンとリンダがベンに駆け寄ると、ベンは苦虫を噛み潰したような顔でこちらを見る。
「ちっ、おまえたちが来ると何かと面倒だから、わざと知らせなかったのに……理由はわからんが、死体が墓を出てきて、今、街の中をお散歩中なのさ。民間人が2名まだ中にいる。救出に向かった隊員はどうやらやられたらしい」
 二人して息を呑む。ベンが二人を見据え、「今のおまえたちなら、ゾンビとも対等以上に渡り合えるだろう。ただ……その中にヒュームとアンも混じってるらしいんだ。それを覚悟して行けよ」
「……はい」
 リンダが青い顔をしていたが、ケンの方を見て大丈夫だと目で語る。
「……行けるか?」
「……うん」
 メインゲートを潜ると、ミナゴの町には死体が溢れ返っていた。腐敗した身体を引きずり、みなウロウロと歩いている。
「うっ……」
 こみ上げてくる物を我慢し、ケンとリンダはゾンビ達に見つからないようにリンダの家を目指す。
 リンダの家の前に、誰かが立っていた。
 青い髪の女と、黒い肌の男が。
「パパ、ママ……」
 左腕の無い、心臓を貫かれたヒュームと、全身に穴の開いたアンがこちらに向かってくる。
「リンダ!」
 ケンが叫ぶ。けれどリンダは動けない。
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