テイルズ系

□雪の思い出
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 雪景の街フラノールへとやってきたロイド達は、夜も更けたという事で宿屋に泊まることとなった。
 ロイドとゼロスが相部屋となり、「おおっ、雪だぞ、雪!」部屋に入って早々、ロイドが窓の景色に見とれる。
「……雪か」
 一瞬、ゼロスの顔が変わる。苦しみと悲しみと怒りがないまぜになったような顔に。
(まだ引きずっているのか、俺は)

 思い出すのは、あの雪の日の風景。
 雪(しろ)と血(あか)の、目が痛い程のコントラスト。
 腹部を槍で貫通され、今にも死にそうになっている母親。
 血の気の失せた顔をし、息も絶え絶えに、母親が言った言葉。
「おまえなんか、生まれてこなければよかった」
 突きつけられたのは、絶望と孤独。
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