テイルズ系

□こんなキールは嫌だ
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 バンエルティア号で移動中、メルディはキールを見てある疑問が浮かんだ。
「ねー、ファラー」
「何?」
「キールって、どうしてあんなズルズルした服を着ているのか? メルディ着てたらきっと転ぶよ」
「そういえばそうだね、ミンツの制服だからって言っても、あれだけ裾が長かったらちょっと大変だよね」
 椅子に座り、分厚い本を読んでいるキールを見ながら、二人して頷く。
「だから転ぶのかもしれないな、あいつ」
「小さい頃もよく転んでいたけれど、あの制服を着ていても転んでいるよね」
「おいキール、おまえその制服の裾切れよ」
「なに?」
 分厚い本から目を離し、キールがこちらを見る。
「だから、その制服の裾を切れって言ってるんだよ。そんなズルズルしたもん着てるから余計転ぶんだよ」
「そんなことが出来るか!」
 キールが立ち上がり、懐から小さな手帳を取り出した。
「ミンツ大学学則第四章制服の取り扱いについて。第12条、制服の裾は膝下から30p以上とする! これがミンツの学則だ! 破るわけにはいかないだろ!」
「……」
「制服の改造はあってはならない! もしこれが見つかればミンツ大学に泥を塗ることになる! そんなことが出来るわけないだろう!」
「……ああ、そうかよ」
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