廃人列車

□第壱戦
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デスクワークをしていたノボリは少し休憩しようと緑茶を淹れる準備をした。

懇意にしている老舗の和菓子屋で最近新作の和菓子を出したそうなので、色鮮やかなそれらをお茶請けとして出す。

季節の練りきり等は季節を感じることの無いこのバトルサブウェイ内では駅員達に人気だ。

ノボリやクダリも例外でなく。

先程追い出したクダリも呼んでお茶の時間としようと思った時だ。


『ノボリボス!緊急事態発生や!』

無線から急に聞き慣れた関西弁が聞こえ、相手が駅員のクラウドであると認識する。

「如何なさいました?クラウドさん緊急事態とは…」

『大変なんや!クダリボスが線路に落ちた女の子を助けようとしとって!!』


クラウドがそこまで言ったとこで、部屋の中に唐突に光が差した。

「なん…」


光が収まると見覚えのあるシルエットが見えた。


『電車も「大丈夫ですよ」…へ?』


「ですから大丈夫と言っております」

『…どうゆう事です?』

目の前にはクダリに抱き抱えられる見知らぬ少女。


「タブランが、クダリと少女を運んでくれました」
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