記憶のオルゴール

□第5話
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・・・疲れた。



短い時間でこんなに疲れたのは久しぶりだ。

まったく嬉しいことじゃないけど。












カコーン...カコーン...





『お。ベアーーー!』

癒しを求めて行くのはもちろんここだろ。


飛びついてきたベアを力いっぱい抱きしめ、2度目の感動の再開。

さわり心地サイコーだなぁ。










ベアに手を引かれ小屋の中でティータイムになった。
無言だがとても居心地の良い空間。



ベアの隣。
なんだか安心するんだよな。




『なぁ。最近あいつとは会ったのか?』

ピタリと動きを止めたベアは顔を下に向けうつむいてしまった。


・・・・・・・。
体調が悪化してるのか。



『・・・そうか。なぁ、あいつが大事か?
・・・自分の寿命を変わりにできるくらいに?』


答えなんて分かり切っているのにな。
聞かずには、いられない。










懇願するように抱きついてきたベア。
少し申し訳なくなり頭をなでた。


『ごめんな。こんな事言って。
大丈夫だよ。全部分かってるから。』





こんなに必死になって。




なんか...

羨ましいな。



誰かのために命までも、か。

俺は...










おまえは幸せ者だよ。


なぁ、要。





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