記憶のオルゴール

□第2話
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初等部校長室を出ると鳴海が待っていた。
大丈夫かとしつこく迫る鳴海を綺麗に無視し、用意された部屋で1夜を過ごした。
どうやら入学は出来たようで今日からは学園に通うらしい。





今日にでも連絡しないとあいつら煩そうだな。
テレパスだから耳ふさいでも無駄だしなぁ。



きっと皆同じような顔をしているのだろう。

そう思い苦笑する。
Lのことを考えていると、鳴海がドアをノックして部屋へ入ってきた。



・・・・。
普通勝手に入るか?
変装解いてたらどうすんだよ。



「おはよう。蜜柑ちゃん。よく眠れたかな?」

『鳴海先生おはよう!ぐっすりやったでー!』


とか言ってるけど昨日寝てないんだよな。


俺は人の温もりがなければ軽く寝ることも出来ない。
あの時からずっと...。


寝ているときも警戒心が解かれることは無いが、人間にとって寝ることは不可欠。
流石の俺も一週間が限界だろう。




支度を整えていた俺は鳴海とともに部屋を出た。
部屋の外には2人の生徒が待っていた。


「蜜柑ちゃん。君のクラスの代表だよ。」

「蜜柑?!」

『・・・蛍!!』


あ・・・。
忘れてた。
そういえば蛍はアリス学園に行ったんだっけ。


『蛍会いたかった〜!!・・・抱きついてもええ?』

「おいで。バカ。」


その言葉を合図に勢いよく蛍に抱きついた。
珍しく避けなかった蛍に内心驚きながら。
お互い、強く抱きしめ合った。

鳴海が不思議なものを見たようにしていたが気にしないでおこう。

せっかくの再開んだ。
余計なことは考えさせんなよな。






「けど蜜柑。あなたなんでこんなとこ...。」

「まぁまぁ。蛍ちゃん。話は後で、ね?。」

「っち・・・。」


相変わらず怖いなぁ、蛍。

無言の睨みに鳴海も参っているようだ。





蛍は変わっていなかった。

優しい蛍。
眩しいのは以前と変わらないな。








しばらく歩いて今教室前にいる。


「じゃあ蜜柑ちゃん。皆と仲良くね〜。」

そんな言葉を残して鳴海は去っていった。


なんか意味深げだな。
やっぱあれてんのかなぁ。
昔と一緒で。




「そうそう蜜柑。私今年の"優等生賞"を狙ってるから厄介事には極力首を突っ込みたくないのよね。だから私達"他人"ってことでよろしくね。」



・・・・はい?
冷たい爆弾発言も健全なようだ。

思わず半目でみてしまった俺に罪は無いだろう。


『・・・・・。』



まぁいいか。
他人として関わらないほうが、此処での行動がしやすいだろう。
少しも巻き込んで命を奪うことは避けたいしな。





何も言わずに納得した蜜柑を不思議に見つめる蛍。
そんな視線に俺は気づかなかった。












B組と書かれた扉を開ける。







この先にいったい
何が待っているんだろうな。






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