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□世界の中心は君だった
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『ああ、平宮。なにか用か?』
先生が問うと、彼はつり上がった眦で僕を見据えた。
美形の怒った顔というのは本当に怖くて、僕が思わず竦むと先生が僕を抱き寄せる。
先生は俗にいうブス専というやつで、特に僕が気にいられていた。
僕も先生は嫌いではなかったから、戯れのように落とされる口づけや抱擁に抵抗はしなかった。それが、こんな結果を産むなんて。
当時の僕は本当に浅はかで、わざわざ僕を探して図書室の奥まった場所に来る人がいるなんてまるっきり予想してなかった。そんな事情もあって、全くリアクションがとれないでいると彼が口を開いた。
『晴海と香山って、付き合ってんの?』
凍えそうなほど冷えた声に僕は首を振る。それに先生が幾分ガッカリしたような表情をした。
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