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□世界の中心は君だった
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しかし、そんなことは関係ないと言いたげに彼は僕だけを見つめる。
『・・・じゃあ何で、キスとかしてんの』
『や、その、減るもんじゃないし、好きって言ってくれたし』
『ふうん?なら俺が好きって言ってもキスしていいの?』
その台詞に、特に考えずに頷いた。
実際、僕はめったに示されることのない自分への好意というものに至極弱かったし、そうされると大抵のことは許してしまっていた。
そんな僕に彼は目を見開き、ついで酷く苦しそうな表情をした。
その表情が艶やかで、僕はほんの少し彼に見入る。
彼は、僕の視線に気づいてふわりと微笑み、僕に向かって好きだと告げたーーー。





あれから1ヶ月。
いつからか、七瀬は僕以外を抱くようになった。それこそ僕じゃない人と付き合っていた時のように。
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