BL

□箱庭
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丹念に丹念に、いたぶるように舌をねじ込む遙斗に蜜紀は恍惚とした笑みを向ける。
「そっか、そうだよな・・・遙斗は、ずっとここにいるんだよな・・・」
「その代わり、蜜紀はずぅっと僕の餌だからねぇ?」
「ずっと遙斗に俺の血を飲んでもらえる上に閉じ込められてくれるなんて・・・ああ、遙斗、遙斗遙斗遙斗、嬉しいよ、嬉しくて堪らない・・・」
譫言のような台詞と凶暴な光の宿った瞳に、遙斗はほんの僅かに笑う。
遙斗は病気だ。何故かはわからないが、1日に一度他人の血を飲まないと栄養が摂取できないという吸血鬼のような病。
正直に言って、遙斗はこの病気を告白した時には別れすら覚悟していた。化け物と罵られることすら想定して、告げた台詞に返ってきたのは・・・。
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