ノーマル・カプなし

□甘い毒の海に溺れて
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(女視点)

また、軍隊が国を発っていく。侵略するために、略奪するために。
以前はアタシもまた略奪品の1つだった。奴隷として連れて来られ、王の前に並べられ、他の奴隷と一緒に品定めされ、どうしてかアタシだけが王の眼鏡に叶った。
首輪を外し、アタシを抱えあげてあの男は玉座の間から出る。その時、アタシにも聞こえるよう「後は好きにしろ」と言って。
ーーー何でアタシだったのか、未だにわかんない。貧乏男爵家の三女、不細工で厄介者だったアタシ。選ばれるはずはないと思って死ぬ覚悟も決めていたのに、選ばれて、その時からずっと王の私室に繋がれてる。
ご飯は王が持ってくるし、トイレは備えつけのものがあるせいでアタシは一歩もここから出らんない。生きてるだけでも儲けものだけど、怖い。王は一体何を考えてるんだろう。
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