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□からころ
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僕ー月晴 香雅がその父子に逢ったのは、ある冬の日だった。
穏やかで柔らかな笑みの似合う父ーー久遠 昴とわがままな女王様のような子ーー久遠 桐恵。
2人は引っ越してきたらしく道に迷っていた。
それを見るに見かねて僕は彼らに声をかけ、目的地まで案内したのだ。
それが僕の家の隣で新しいご近所になると知った時、胸が騒いだ。

なにか、嫌なことがありそうな気がして。

・・・そんな僕の思いとは裏腹に、2人は特に問題もなく近所にとけ込んでいった。
そして、僕は最初から知り合いだったせいか妙に頼りにされ、お互いに泊めたり泊まったりを繰り返すほど2人と仲が良くなった。
まだ、この時は僕も普通でいられた。
春が来て、夏が過ぎ、秋を駆け、また冬が巡る。
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