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□君と魔王さま
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その青年は、アルファといった。
「一応、俺が第二王子です」
平凡な顔立ち、中途半端な魔力。
それでも、アルファの前にいる美青年は微笑んだ。
「私はセイル。一応魔王をしている・・・」
サラリと流れる髪と共に魔王がぎこちなく笑い返したアルファの手を取り、指先に接吻を落とす。
「たった今から、あなたの夫だ」




君 と 魔王さま




そもそもの始まりは、1ヶ月前に遡る。
大陸の端にあるルナカンタ王国に、大陸の中央に位置する魔族の帝国であるアナスト帝国から同盟の申し入れがあった。
いや、正確には同盟ではなく、結婚の申し込みだった。
ルナカンタの第二王子を娶りたい、と。
魔族にとって性別は大した問題ではない。
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