BL

□獣と雑草
1ページ/4ページ

緩やかな安息の中、雑草は穏やかな生活を送っていた。
ある日、美しい獣が彼を引き抜くまでは。



獣と雑草



「羽貴(はき)、帰るぞ」
肯定以外は認めないといった雰囲気を醸し出しながら、学園の王様ーー眉目秀麗、成績優秀、スポーツ万能な俺様ーー月由 遥(つきよし はるか)は幼なじみの弓弦 羽貴(ゆみづる はき)ーー小さく、太っていてお世辞には整っているとは言えない容姿の少年ーーに声をかけた。
「ーーーあ、き、今日は、用事が」
「何、用事って」
柳眉がつり上がるのに怯えながら、羽貴は懸命に説明する。
「僕、先生に呼ばれてて、その」
「無視しろよ。俺が言っといてやるから」
「っでも・・・!」
「うるせぇ」
遥は僅かに舌打ちをし、羽貴を睨む。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ