ノーマル・カプなし
□とりあえず
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パシーン!
青い空の下、響き渡るのは私の頬が力の限り叩かれた音だ。
「なんで・・・なんで、あんたみたいな不細工がっ!」
怒りですら真っ赤にはならない、薄桃色の頬。
彼女の瞳は潤んでいて今にも涙が零れ落ちそうだけど。
「や、あの、どちら様ですか?」
リアルに見覚えがないけど心当たりはあるというこの矛盾!でも本当に知らないんだよ?理不尽じゃない?なんで見知らぬ人にいきなり叩かれないといけないわけ?
そんな私の戸惑いを目の前の彼女が察してくれるはずもなく、涙目のまま睨まれる。
でも残念ながら私にはそんな睨みはきかない!だって隣の席は札付きの不良だし!怖い目には慣れた!
「・・・んで、なんで、なんでなんでなんで!和樹君はあんたなんかを!あんたなんか、あんたなんか・・・っ!」