ノーマル・カプなし

□その気持ちはフィクションです
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彼にそう思わせた切欠はうちの母と彼の両親の他愛ない言葉だった。
幼い時、私と彼はそれはもうベタベタと四六時中引っ付いていたらしい。周りにたまたま同年代がいなかったからだと私は思っているけれど。
そんな中、母が彼の家で言い放ったのだ。
『雅樹君は本当に七が好きねー、いっそ将来お嫁さんにしてくれないかしら』
『まあ!いい考えね!そうだわ雅樹、七ちゃんとずっと一緒にいれるのよ!』
『ははは、だったら雅樹は一生七ちゃんを好きでいないとなぁ。でないと七ちゃんのお父さんが怖いし』
・・・まあ、普通の会話だろう。(多分)三人共さほど本気ではなかったはずだ。
しかし、この時彼の頭の中にはこうインプットされてしまった・・・『自分は七が好きなんだ』、と。
それ以来、高校生になる今に至るまで物事の節目節目にこの話を持ち出され、母と彼の両親が本気になった。最悪だ。
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