ノーマル・カプなし

□もぐもぐぐちゃり
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密やかにざわめく教室の中、皆木 千里は今日も今日とて窓の外ーーー正確には、恋人へと意識を飛ばしていた。
千里はこの教室、否、学校において特殊な位置にいる少女である。
どこかぼうっとした雰囲気だけが特徴の平凡な少女。彼女の何がそんなにも特殊なのかといえば、彼女自身ではなく彼女の恋人(より正確に言うならばその恋人との関係)が特殊なのだ。
ガラリ、教室の扉が開き、平凡な彼女の特別な彼氏が姿を現した。
金谷 卓。この学校の王様であり、一種凶悪な程の美貌とその乱行が有名な男だ。
その乱行の一つ・・・男女見境なく手を出す、ということに対して、千里は微塵も気を払わない。卓も何を言うわけでもない。残るのは厳然とした事実が幾つかだけ。
その異常な関係こそが、二人を特殊にしていた。
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