ノーマル・カプなし

□もぐもぐぐちゃり
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今も卓の側には美少女が二人侍り、表面上は千里を気にもせず卓の寵を競っている。それが無駄であると彼女ら自身が骨の髄まで知っていてもせざるをえないほど、卓は魅力的だった。
そして、自身の魅力を知っていて、そんな二人の努力にも気づいていながら存在を完全に無視して卓が千里に甘く話しかける。
「オハヨ、せぇちゃん。今日も可愛いね」
「おはよう、卓くん。今日は桜井さんと居月さんなんだね」
「・・・へぇ、サクライちゃんとイヅキちゃんっていうんだぁ。良く知ってるねぇ」
千里が他人の名前を口にした途端、卓の表情が嘲りに歪む。これもまたいつものこと。
「うん、良く卓が相手してるでしょ?覚えちゃった」
千里はあくまで無意識のうちに卓の機嫌をとり、卓の両側に陣取る二人に微笑みかける。
二人はそれに微笑み返し、またお互いに睨み合った。
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