名前変更不可能な方程式

□名前変更不可能な方程式
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まず初めに、僕の名前が江意竜介だと言うことを、皆さんには知っていて欲しい。
だからといってこの名前がこの物語に関係があるとは限らない。
そこのところも皆さんには知っていて欲しい。
関係がある名前というのは"彼女"の名前だ。
彼女というのは、ご存知のとうり"彼女"だ。
これについては、前回
散々説明したから、お分かりいだけていると認識しておこう。
そして、今回の話は"彼女"の名前についての話なのだが、前ふりを、しておこうと思う。
僕が彼女に最後に出会ったのは、3ヵ月前だ。
3ヵ月前に僕はあの飲食店のバイトを辞めたのだ。
辞めた理由としては、単にもっと給料の良いバイトを家の近くで見つけたからだ。
前もずいぶんと家に近いバイトだったのだが、僕はあまり動くのを好まないので、楽な道へ楽な道へと進んでしまう。
だが、その事を悔いてはいないし、むしろこれでよかったと思っているからこのスタンスを変える気はない。
だから彼女とはここ3ヵ月会っていないし、これ以降会うこともない。
会う気がない訳ではないが、会えない訳だし無理して会おうとは思っていないので、致し方ない。
仕方がないと言うが、仕方なくさせているのは僕だ。
僕が諦めているから仕方なくなってしまったのだ。
それをあたかも他人のせいのように仕向けるのは、人間のいけない癖だ。
直したほうが良いだろう。
だが、直そうと意識して直せる問題でもない。
誰しもこの事について悪い癖だと思っているのに、誰しもが直していないのだから、そうそう直せる問題でもないのだ。
これは僕のせいでは無く、統計的事実だ。
だけど、これも僕が他人のせいにしているだけかもしれない。
大分話がずれてしまった。
申し訳ない限りである。
まあ、つまり僕は彼女に最近会っていないのが皆さんに理解していただければ良いだけの話である。
だが、会ってしまった。
今。
まさに今。
僕は彼女に会ってしまったのだ。
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