短編

□100年先だって
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不意に、狩屋が口を開いた。



「俺、思ったんですけど。



俺と先輩って一日に3時間くらいしか一緒にいないじゃないですか。



つまり一生一緒にいたとしたって一年で1095時間くらいなんだから×80で87600時間、約3733日つまりこれから80年くっついてたってそれは10年間分にしかならないんですよどうしよう。」



「しか」っていう言葉の使い方をまちがえてるような気がするのは俺だけなのか。



しかもお前そんなに急に頭使って、明日熱出したりしても知らないぞ。



とりあえずお前やればできるんだから数学のテストでももっと頑張れなんて言ったらきっと機嫌悪くなるな。



「10年じゃ足りないのか。」



「足りるんですか!?」



信じられない、とでも言いたそうな狩屋に、ならどれくらい一緒にいたいんだと聞いたら100年と返ってきたので少し引いた。



「あ、そっか結婚すれば・・・」



溜め息が出た。



うんそうだなお前やっぱり馬鹿だからわかんないよな。



だけど実際そんなの無理だよ、だって人間何十年も同じ相手のこと愛せないもん。お前も、俺も。



だけどさ、そんな事言えないだろ。



お前が普段どれだけ、あと一年早く生まれたかったなんて言ってるかを知ってる俺が。



秘かに神童のこと、・・・俺と四六時中一緒にいる神童のことを羨ましがってるお前に。



でも、やっぱり自信はないんだ。



今はよくても、あと百年して骨になった体で、骨になったお前のこと愛せるかどうかなんて。
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