短編
□これからもありがとう
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「ほら狩屋起きろ、今日は早く家出るんだろ。」
「うー・・・今何時・・・」
「六時。」
今日は取引先と会議があるらしい狩屋は、観念したのか布団から這いずり出てきた。
その姿にエイリアンのようなものを覚えたことは黙っておこう。
「ほら、また髪がはねてる。」
「えーこれくらいわかりませんって・・・」
社会人になるのに身だしなみの一つも身についてないから、未だにこうやって世話を焼き続ける羽目になっている。
それも、悪くないと思い始めてる俺がいるのも事実だが。
それでも、入社して一年で重要取引先との会議に出席するなんてそうありえる話じゃない。
こいつも実はいろいろソツなくこなしているんだろうから、家では少しくらい抜けても仕方がないか。