生きてやる。
□第五話
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目が覚めた瞬間。なんとも言えない違和感に震えた。
何かがおかしい。何が?
俺はその時初めて、日が空高く上っていることに気づいた。
いつもなら俺を起こすはずの光良の姿はない。
加えて、見渡した部屋は見取りは一致こそすれ、明らかに俺たちが寝泊りしている部屋じゃなかった。
「・・・光良?」
隣のベッドは、人が寝た形跡すらない。
嫌な予感がした。
《カチャッ》
俺は思わず、入室してきた星降を強い口調で問い詰めた。
「星降!光良は何処だ!?何で俺は此処にいる!?」
返ってきた返事は、いつもの星降と変わらないように淡白で、そして隠し切れない悲しみを滲ませていた。
「・・・今は、聞くな。」