生きてやる。
□第四話
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僕が手を失ってから、何日か経ったある日のこと。
お別れは唐突に訪れた。
その日は、起きた瞬間から何かがおかしかった。
思わず隣に寝てた星降に縋りついて、頭を撫でる手の温かさにほっとしながら、まだ不安を拭えずにいた。
そして、不安は形になった。
「・・・夜桜と、隼総は?」
朝の食堂。食事係のはずの二人が見当たらなくて、みんな強ばった顔を隠そうともせずに。
「・・・隼総は朝弱いし、光良が寝坊したら起きられないだろ。」
気休めみたいに磯崎が言った。
実際には、少なくとも僕は、夜桜が寝坊するところなんて見たことなかったけど。
だけど、そう思い込まなければ崩れ落ちそうだった。