短編2

□言葉よりも行動で
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星降は、滅多に喋らない。



僕は最初それは、星降がフィフスセクター寄りの考えを持っていたから、心の底ではきちんとサッカーをやりたがってた僕らとは分かり合えないのか、



それとも心を開いてないのかと思ってた。



だけど、どうもそれは違うらしい。



星降は、自由なサッカーが戻ってきてからも、僕に告白するときも、付き合ってからも、



必要以上のことは喋らなかった。



僕も別にそれを不快には思わないし、むしろ星降と過ごす静かな時間は、僕の心を落ち着かせた。



それに最近、星降に惚れ直すことも増えてきたような気がするんだ。



寒いと思ってるタイミングで、手を握ってくれる。



歩くときはそういえばいつも星降が車道側で、でも星降はすごく自然な動作でそうするから、僕は最近までその事実に気づかなかったくらいだ。



星降はきっと、行動で表せることは極力行動で表すタイプなんだろう。



だって今だって、



「好きだよ。」



そう囁けば同じ言葉を返す代わりに、触れるだけのキスをしてくれるから。

fin.

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