壬生狼と過ごした2217日

□奴はPーBOY
1ページ/4ページ




「そういえばお前のその着物、なんとかしねぇとな」

「え、このままじゃ駄目ですか?」

「駄目に決まってんだろうが!!それともなにか?おめぇはずっと屯所に篭んのか?」

「え、それは嫌。せっかくだから街中見学したいです」


歳さんが一気に杯を傾け、ため息をついた。


「おめぇ…いや、なんでもない」


歳さんはわかりやすい。
大方、私の超ポジションシンキングに呆れてるといったところか。
だって仕方ないじゃない。
せっかくタイムスリッパーに選ばれたんだもの。
いくら歴史に疎い私だって、自分の住んでいる国の過去くらいは見てみたい。


「仕方ねぇ…八木さんに女もんの着物がねぇか聞いてくるか」


そう言って歳さんは「よっ」と立ち上がった。


「トシ!!八木さんになんて言うんだ?まさか未来から女子が来たなんて…」

「言うわけねぇよ。新しく女中を雇ったとでも言やぁいいだろ。ちょっと待ってろ」


ふっと見せた笑顔は酒のせいかとても妖艶に見えた。

…うーん。歳さんはきっとPーBOYだ。
言葉遣いは悪いけどきっと優しい。
この男は今まで何人もの女を啼かせ…いや、間違えた。泣かせてきたに違いない。
こういう男に惚れたら火傷するぜ!と私の本脳が警笛を鳴らした。


あ、PーBOYはプレイボーイって意味ね。



.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ