壬生狼と過ごした2217日
□垣間見えた優しさ
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次の日。
「はい、これ。皆さんにお握り作ったんで食べてくださいね」
竹の葉に包んだお握りをそれぞれ手渡す。
「お!由香ちゃんが作ってくれたのか!」
「はい!」
「ありがとな」
「左之さん////!どういたしまして////!!」
「な、なんか左之には態度が違くないか…」
新八さんの冷ややかな視線に笑ってごまかす。
ほら、私って素直だから。
「じゃあそろそろ出発するぞ!!」
「芹沢先生、お気をつけて」
「あぁ!近藤先生、留守は任せたぞ」
そう言って芹沢さんを先頭に、お金借り隊(命名、私)は朝早く、日が昇ると同時に大坂へと旅立って行った。
てゆーか、この時代の人の主な交通手段は歩きだ。
屯所から大坂までいったい何時間かかるのかわからないが、一駅歩いただけでも疲れる私にとってそれは拷問にも近いこと。
昔の人の足腰は強靭だったんだなぁ…と遠い目をしながら私は芹沢さん達の背中を見送っていた。
……あ。
新八さんのお握り、海苔巻くの忘れたかも。
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