壬生狼と過ごした2217日

□野郎共の出陣
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「…ん………」


東の空が徐々に明るみを増してきた頃…
屯所の中が慌ただしく動く気配で目が覚めた。

どうしたんだろ…
なんかあったのかな…

季節は夏と言っても明朝はまだまだ肌寒い。
私は寝間着に羽織をひっかけ、そっと自分の部屋から人の気配がする方へと歩きだした。


突き当たりの廊下を曲がったところで中庭に面した縁側に出る。
ガヤガヤとした声が聞こえることからどうやら皆、中庭に集まっているようだ。

つーか…
私、寝間着じゃん……
さすがにこの格好で皆の前に出るのは…

その場に立ち止まりどうしようか考えていると、私の背後の廊下がギシリギシリと軋む音が聞こえてきた。

あ…やべ…
誰か来る……

と、思ったときにはすでに遅し。
振り返った私の視線の先には、真っ赤な顔で口をパクパクさせている、隊服に身を包んだはじめくんの姿があったのだった。


「あ…あんたはそんな格好でここで何を…////!!」


女の子に免疫があまりないのであろうはじめくんは、私の寝間着姿に唖然としているようだった。
どこを見ていいのかわからないようで、視線は宙をさ迷っている。
たかが寝間着姿なのに……

もう、カワイイんだから!
お姉さん、そんなはじめくんにムラムラしちゃうよ!


「あ…いや、こんなに朝早くから人の気配がしたからどうしたのかと思って……」

「い、まから出陣で…////そ、それより早く自分の部屋に戻れ////!そんな格好をしてフラフラしていると、副長に怒られるぞ////!!」

「は?なんで歳さん?…てか出陣ってなに?どういうこと?」


出陣って、要は戦いに行くってことだよね?
夕べの時点で何も聞かされてないし、一体何が…

はじめくんに詳しく聞こうとするも、真っ赤な顔をして背を向けてしまって取り合ってくれない。


「はじめくんってば!!」

「何してんだおめぇは」


はじめくんの隊服の裾を引っ張っていると、中庭側の廊下からぶっきらぼうなあの声が聞こえてきた。




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