壬生狼と過ごした2217日

□嫉妬のはざま
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「…き、今日非番だったんですね、歳さん……」

「…あぁ」

「…………」

「…………」


…う。
なんだなんだ、この重苦しい雰囲気は。

ちらりと歳さんを見ると、何を考えているのかわからない顔をしている。
でも眉間に刻まれたシワを見る限り、もしかしなくても機嫌はよろしくないものだと思われる。
やっぱり昼間から酒を呑んでいたのが気にいらなかったのだろうか…

で、でも洗濯とか掃除とか!私ができるべきことはやってから酒呑み始めたんだから別に私、悪いことしてないよね!?ね!?

そんな風に自問自答していると、歳さんがちらりと私の方を見たことに気付く。
雷が落とされるのかと一瞬身構えたが、いつまでたっても怒声は聞こえてこない。


「と、歳さん…?」


恐る恐る声をかけると、さっきまでの怒りオーラはどこへやら。
男はバツが悪そうにチッと舌打ちすると、ぷいと視線を逸らしてしまった。
心なしか少し顔が…


「…新八と呑むのは楽しいか」

「へ…?」


…ちょっと待て。
この男、今なんつった?
新八と呑むのは楽しいかって言った?

純愛だの恋愛だの恋事に疎い私でもさすがに何を言いたいかわかる。
あ、あっちに関してはマスターですけどね、はい。


「……歳さん。もしかして妬いてます?」

「なっ…////!!この俺が妬くわけねぇだろうが////!!」


あぁ…やっぱり。
私が言った一言に顔を真っ赤にしながら全力で否定する鬼の副長ならずピュアな副長。
その顔を見て妬いてないと思う人は誰もいないと思う。


「へぇ〜…ふ〜ん…?妬いてないんですかぁ…?だったら今から左之さんのところ行って一緒に呑んでこようかなぁ?」

「!!」

「あ、はじめくんでもいいかなぁ。カッコイイもんなぁ、はじ「てめぇ、ここで啼かされてぇのかコラ」

「ふんまへん、ひょうひほりふぎまひは」


うん、調子乗りすぎました。
気付いた時には男は鬼の副長の顔に逆戻り。
すべてを言い終える間もなく、私の頬はその鬼の副長の片手で思い切りつかまれた次第であります。

その後。
てっきりそのままラウンド突入かと思いきや、男は照れを隠したまま「手合わせを見てくるか。てめぇも来い」と部屋を引きずり出されたのだった。




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