壬生狼と過ごした2217日

□瞳の奥に潜むのは
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私は皆の前で

上手く笑えているだろうか――…





新見さんの切腹から数日がたった。
壬生浪士組内はそんなことなかったかのように、静かに時間だけが流れている。

芹沢さんにいたっては市中の巡察と称し、相変わらず昼間から島原などで浴びるように酒を呑んでいるようだ。
それがなんだか私の目には自暴自棄、のように見えてなんだかいたたまれなかった。

終いにはお金を借りていたお宅の妾、梅さんが「お金を返してほしい」と催促に来たところ、無理矢理自分の"モノ"にしてしまったとか。どうやら梅さんも満更ではないようで、今では芹沢さんが屯所にいる時は必ず訪ねてきて、夜を共にするようになっている。

芹沢さんもいいオッサンなのによくやるよなぁ…
梅さんもあんなオッサンにイレ込むなんて…
……芹沢さん上手いのかしら。
まぁ、お相手は絶対に遠慮したいけれど。


「…心ここにあらず、だな」


隣で私の髪をすく男が静かに口を開いた。


「……そんなこと、ありませんよ」


そう言って胸に擦り寄れば、男の手は再び私の身体をまさぐり始める。


「…また、ですか?」

「わりィか」

「……いや、お元気でいらっしゃるなぁと思って」

「………」


男の手が止まることはない。
節くれだった長い指は私の身体を犯し始める。
遠回しに拒否の言葉を並べたが、そんなのこの男にはおかまいなしのようだ。


新見さんのことがあってから…
この男はちょくちょく私を抱くようになった。

何を恐れているのか…
優しい言葉で
優しい指で
まるで腫れ物を扱うかのように私を犯し続けた。
私はそれを拒むことをしなかったし、むしろ私も何かを探すように男を受け入れ続けた。



「…ぁ……」

「………んでだ?」

「…え?」


突然。
男の身体が静かに止まる。


「なんで名前を呼ばねぇ」

「………」


男は眉をひそめながら、今にも泣き出しそうなくらい寂しげな瞳で私を見据えていた。




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