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□白石生誕祭
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01:けんや



4月14日、白石蔵ノ介の誕生日。


しかし、いつも通りテニスをするために学校に向かう。
誕生日だからといって、部活がなくなるわけでもない。


今年の誕生日は土曜日で直接おめでとう、と言
ってくれるのは部員と家族のみだろう。
平日だったらメールではなく、たくさんの人から直接祝ってもらえるのに、と贅沢な不満を漏らす。


いってきます、と言って家を出ると玄関の前に謙也がいた。


「しらいしっ!誕生日おめでとう!!今日は特別に俺の後ろに乗せたるでっ」

にこにこと笑いながら自転車の後ろを親指で指す。




4月の朝の風はまだ肌寒く、何もせずに後ろに座るだけでは凍えてしまう。
きゅ、と謙也の腰に腕を回して背中にぴたりと頭をくっつけてみる。


「謙也、あったかいな。俺謙也の体温好きやで。」


そう呟いて、顔をあげると髪の間からほんのり朱に染まった耳が見えた。





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