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□2.強がりな君へ
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あの日から、一週間以上が経った。 もちろん、あの日言われた"今度"は来ていない。
社交辞令、だったのかな。 そうだよね。 あんなに楽しみにしていた自分が、少し恥ずかしい。
事を終え、トイレから出ようと鍵に手をかえると何やら声が聞こえてきて、その手を止めた。
「小山名無しさん、ほんとむかつく。加藤くんとの仲の良さ、見せつけるようにしてきてさ。」
「あー確かに。ちょっと嫌がらせしちゃおうか?」
「あはは、それいいね。」
冗談なのか、本気なのか。 声が聞こえなくなってから、トイレのドアを開け外に出た。
シゲは、かっこいいし仕事もできるしで、もてる。手越くんほどではないにしても。
だから、自分が一部の人にこういうことを言われているのも知っていた。もちろん見せつけているつもりなんてないし、シゲとは友達、それだけなのに。
こういう悪口を気にしないでいられる強い心は生憎持ち合わせていないから、考えないようにしても気にしてしまう。
こんなこと気にするって、周りの人には気づかれないようにしなくちゃ。
だってそんなのあの人たちの思う壺。