青空と俺達。
□便利な機械
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ここ一週間ほどいつにもまして活気のあふれるものが近くにある。
━ブーーー、ブーーーッ
携帯だ。
特に理由はないが通常はマナーモードにしてある。
これまでも一日に何通かはだいたいきていた。
それは野球部のやつだったり、クラスのやつだったり、はたまた広告メールだったりもするのだが。
それに加えてこの一週間がすごい・・・。
一人の相手から何通も何十通も一日にメールが来る。
だがそれがメンドウだなんて思ったこともない。
むしろ来るたびに嬉しくなる。
ポチ、ポチ、
先ほど届いたメールを確認する。
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田島悠一郎
Sub:Re:
俺んこと スキ?
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でた。
一瞬吹き出しそうになるが何とかこらえる。
普通なら顔が赤くなるところだがそれもこらえる。
というのも、この内容のメール、一日一通以上は確実にくる。
三日前にはなんと三通もきた。
なんでそんなに何回も聞くのかと疑問にも思う。
やれやれ、と思いながらやっぱり顔がにやけてしまう。
こういうとこもかわいいんだよなぁ、なんて思ってしまう。
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一週間前。
練習終りの部室で帰り支度をしていると、田島に呼ばれ、人気のないところに連れ出された。
なんだ、と思っている矢先。
田島から突然の告白だった・・・。
友達としてでなく、恋愛対象として好きだ、とのこと。
当然かなり驚いた。
しかしその驚きは一部普通とは違っていた。
普通なら、男なのになんで、とかだろう。
だがこのときに思っていたのは、なぜ田島が・・・、という感情だった。
というのも、この告白がある、なしに関係なく、以前から田島の事が好きだったのだ。
終始戸惑い気味だったが、なんとか自分の思いも伝え、付き合うこととなった。
そのときの田島の嬉しそうな顔は忘れられない。
それからというもの、部活が終わって、家に着いたころから、携帯がフル稼働するようになったのだ。
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