青空と俺達。

□譲れない
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「ったく、メンドくせー・・・。」
あからさまにめんどくさそうに阿部が言った。

「い、いや〜、びっくりしたね〜。まさかケンカになるとは思わなかったよ。」
少し焦ったように水谷が続いた。

「まぁ、多少なりとも俺たちにも責任はあるわけだが・・・。」
花井が冷静に言った。


現在、休み時間中に7組でちょっとした会議が開かれていた。


「朝練も空気がスッゴイ重くってさ、俺ホント怖かったもん。」

「水谷が空気を感じるくらいだから、かなりヤバい状態だな。」

「ん?阿部、それどういう・・・?」

「だーーっ、そんなことはどうでもいいんだよっ!それより今のままじゃヤバイだろ?どうするよ?」
水谷と阿部のやり取りに、しびれを切らした花井が聞く。

「ほっとく。」
「却下!」
阿部の提案も花井が即却下。

「二人にごめんなさいさせるとか?」
「幼稚園かっ!」
水谷の案も却下。


「っとに、あの二人はやっかいだなぁ・・・。」
良い案が浮かばず途方に暮れる花井。


というのも・・・



********

〜放課後の部活中〜

「おーい、栄口ー。ちょっと荷物運ぶの手伝ってくれー。」
阿部が近くにいた栄口に頼んだ。

「あ、リョーカイ。」
嫌な顔一つせずにすぐに手伝う栄口。



数分後・・・

「あ、栄口〜、ちょっと俺のタオルとってくれない?」
水谷がベンチの近くにいた栄口に頼む。

「はいよー。・・・えっと、これだっけ?」
すぐに言われたものをとってあげる栄口。

「それそれ〜、ありがとね〜。」



さらに数分後・・・

「栄口ー、ちょうどいいところに。」

「ん?花井じゃん。」

「ワリぃけど、モモカンに備品が足りないって報告しといてくれねぇか?たぶんそれで話通じるから。俺、ちょっと他にも確認しないといけなくてさ。」
花井が偶然近くを通った栄口に頼む。

「あ、いいよー。すぐに行ってくるねー。」
さっそくモモカンのもとへ向かう栄口。
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