日常。

□お茶会
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『こんにちはー』
「来たよー?」

声を揃え公園へと入ってきた亜莉子と和名。
それぞれ手には小さな紙袋のような物を持っている。


「遅いよアリス、セツナ!!!!」
「な、えっ」
『私たちそんな遅れてないわよね!?』
「猫はどうした?」

帽子屋は反論を見事にスルーし、
姿の見えない猫について訊ねた。

「チェシャ猫は、留守番するって」
「いら…っしゃい、アリス…セツナ…」
『あーネムリン無茶しちゃ駄目よ溢すよ』
「猫が?」
「なんか、和名に構って貰えなくて寂しいのかな?」
「お茶…を…」
『危ないって、私がやるよ……』
「ふーん…」
『あっ』

誰がどう話しているか解らない会話の中、
ガチャン、と響く音。

ネムリネズミが、ポットを落としたのだ。

「きゃっ」『亜莉子!』

「うわぁ!!!!!!」


亜莉子の身は見事に熱湯から守られた。和名の手によって。

しかし帽子屋には見事に命中。

『ごめん帽子屋…亜莉子守るので精一杯だった』
「眼中にもなかっただろ」
『うん』
「和名、ありがとう」



騒ぐ三人。
一方、加害者ネムリネズミは
既に夢の中である。
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