第61～90話
□砕けない約束
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流奈様ファンクラブ１点ビハインド九回裏２アウトという大ピンチの状態で一条のバントと箱根の意思によりランナーが一塁に出た｡
そしてブルーブレイスの打順は一番に返り…｡
『一番…ピッチャー…瀬戸内』
瀬戸内｢………｣
幸運か…運命か…｡
この一発が出ればサヨナラという場面でバッターボックスに立つのはＢＫこと瀬戸内 渉｡
竜崎｢(まさかファーストの裏切りで故意的エラーを出すなんて…だがランナーを出した事に関しては想定の範囲内だ｡ＢＫには負けない)｣
ＡＣＴ｡ＬⅩⅩⅩⅤ
【砕けない約束】
体育館内の雰囲気の変化を外野フィールドで感じ取っていた武内と朝風｡
バッターボックス付近に漂う異様なまでに殺伐とした空気は両翼にも届いていた｡
武内｢…こんな時…｣
朝風｢…？｣
武内｢ボクたちは竜崎くんと瀬戸内くんのどちらを応援すべきなのでしょう…？｣
朝風｢それは…｣
武内｢不本意とは言え今は同じチームのピッチャーが討ち取ることを祈るか…それとも体育館全体を味方につけた相手チームのバッターが打ち返すことを祈るか…｡本来なら同じチームの竜崎くんの勝ちを祈る事があたりまえですが､とても祈る気持ちにはなれません｣