第61〜90話

□武内vs大宮
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大宮はそう言われて自分の握っていたバットを見た。グリップやウエイトを見ても、確かにそれは相沢のものだった。



大宮「あぁ…ゴメン、相沢」


相沢「………」



………
『5番…キャッチャー…大宮』


武内「(先頭打者は大宮くん。彼は以前でしたら内野安打も可能でしたけど今は…)」


なぎさ「………」



『この回、一条ブルーブレイスの先頭バッターは違った意味でチーム内の総大将を努める大宮!!リードミスもあり失点してしまった借りを返すことができるのかァア!?』



大宮「………」



大宮は右バッターボックスに入りながら両手でバットを握り直し、前のめりに少し倒す神主打法のような構えを見せた。



武内「………」


大宮「………」



お互いマウンドとバッターボックスから睨み合うような状態に入ったが、武内は視線の先を大宮の手元に移した。



武内「(大宮くんはグリップの先を握っている…心境がまるわかりですね)」


大宮「………」



『さぁグラブの中からボールを取り出し、左手に持ったピッチャーの武内!!大宮に対する第一球目!!』



武内「…!!」

ガバッ…ビュン!!



武内の左スリークォターからスムーズに投げられた第一球目。ボールは真っ直ぐ内角低めのコースに向かって突き進む。



大宮「…くっ!!」

ブン…!!
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