第61〜90話
□武内vs大宮
3ページ/7ページ
大宮はそう言われて自分の握っていたバットを見た。グリップやウエイトを見ても、確かにそれは相沢のものだった。
大宮「あぁ…ゴメン、相沢」
相沢「………」
………
『5番…キャッチャー…大宮』
武内「(先頭打者は大宮くん。彼は以前でしたら内野安打も可能でしたけど今は…)」
なぎさ「………」
『この回、一条ブルーブレイスの先頭バッターは違った意味でチーム内の総大将を努める大宮!!リードミスもあり失点してしまった借りを返すことができるのかァア!?』
大宮「………」
大宮は右バッターボックスに入りながら両手でバットを握り直し、前のめりに少し倒す神主打法のような構えを見せた。
武内「………」
大宮「………」
お互いマウンドとバッターボックスから睨み合うような状態に入ったが、武内は視線の先を大宮の手元に移した。
武内「(大宮くんはグリップの先を握っている…心境がまるわかりですね)」
大宮「………」
『さぁグラブの中からボールを取り出し、左手に持ったピッチャーの武内!!大宮に対する第一球目!!』
武内「…!!」
ガバッ…ビュン!!
武内の左スリークォターからスムーズに投げられた第一球目。ボールは真っ直ぐ内角低めのコースに向かって突き進む。
大宮「…くっ!!」
ブン…!!