第1〜30話
□西東の失敗
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渉はメットをかぶりバットを引きずりながらバッターボックスに向かった
西東「…渉にこんなこと言われちゃあ、もう今さら受けるなんて言えませんよ」
蛇島「…そうだね」
………
瀬戸内「下ろさせてくれ…か」
まさか西東が女だったとはな…それも
先輩の子を…
それは違うぞ渉…
『投手…天見 彩雅』
『打者 瀬戸内 渉』
瀬戸内「………」
ブンブンブンブン…
渉は左のバッターボックスに入ると激しくバットを揺らし始める。
小山「か…神主打法だとぉ!?あの野郎…性格のわりにハデなフォームをチョイスしてやがるな」
西東「渉…」
友沢「どう思う西東、天見先輩の球を打てるか?」
西東「たぶん難しいだろうな…」
友沢「?…どうしてだアイツはオレすら破ったんだぞ。そもそも軟投派の天見先輩の球速は良くて130前後だ…。150すら軽々とスタンドに運ぶアイツが負けるわけ…」
西東「問題はソコなんだ」
友沢「な…まさか!?」
西東「そう…渉は今まで速球しか打っていないんだ。友沢のスライダーだってかなりの球速を叩き出す少なくとも140以上のみ、そのスピードに慣らされた感覚がいきなりスピードレンジの低いボールに対応できると思うか!?」
友沢「まさか…」