総悟受

□バナナの皮
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最近。俺を追いかける中にいつもいるあの茶色い髪を見ないことを淋しくおもう。
あいつがいない理由は簡単で。あれは3日前のことだった。


3日前、俺は日頃の恨みをはらすべく新選組が俺を追いかけるルートにバナナの皮をしかけておいた。
ひっかかるとは、おもわなかった。だが。どうやら一番隊隊長はバカなやつで。見事にその罠にかかってくれた。


左足首骨折。


まだ歩けないどころか、入院中らしい。とか思いながら追いかけてくる新選組から逃げ続けた。


「…っ」


別に、俺がわるいわけじゃない。とかおもいながらも。向かう先はあの茶髪が入院中の病院だった。

白ばかりの個室へはいると、そこにはひとりの少年が気持ちよさそうに寝息をたてていた。

その姿が美しくて。愛しいとおもった。ふにふにとした頬をつついて、見舞いの果物を枕元へおく。寝てるなら、今のうちに帰ろうとおもい、少年のおでこに軽いキスをした。


サラサラの髪をなでたあとに個室をでようとしたとき。扉の前に置いてあったバナナの皮で転んだ。クス。と後ろからきこえた笑い声。なにかとおもうと、少年が馬鹿にしたように。でも美しく俺をみつめてて。

可愛い。とかおもって、自分の顔が熱くなるのを感じた。


「っ…」
「ふくしゅー、ですぜ」


怪我はしなかったけど。その笑顔に動けなくなった。
あぁ、もうっ!


「…っ…」
「今は動けねえけど。今度会ったら捕まえまさぁ」


捕まえられても、いいか。なんて
考えた自分が恥ずかしい



<バナナの皮>

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