総悟受
□部屋の中
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「ただいま、総悟」
もう、話さない君の頬に、手を添えた。
漫画とかなら、ここでキスすれば、生き返る。
でも、これは夢でも漫画でも無くて、現実なんだ。
=部屋の中には=
最初は、何を言ってるのか解らなかった。
総悟が死んだ?
死んだ理由が、俺のせい?
俺に恋心を抱いた遊女に
恋人と間違われた?
「う、そだ・・」
きっと、いつもの悪戯なんだろう?
皆して、俺をだまそうと
そうだろう?
なあ、総悟
もういいよ
びっくり、したから
もう、目を開けて
『おどろきやした?』
そういって笑うんだろう?
だから俺は、怒ったフリをして強引にキスをする。
そしてそれから、、、
「なあ、総悟」
返事を、してくれ
はやく、これがうそだと、
夢だと
いってくれ
「…トシ。」
いつの間にか後ろにいた近藤さんが心配そうに話しかけてきた。
「…近藤、さん。可笑しいんだ。総悟が死んだはずなのに、涙がでないんだ。…実感がわかないんだ」