短編
□平和
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「おいで」
いつも無口な君に。小さく手をさしのべてみた。
いつもの仕事着をきていない君は、いつもより細かった。
こんなに細いのに、どこからあんな力がでるんだろうか。
俺をみて、きょとん。としたあとに、君は俺に抱きついてきた。
タイミングがうまくつかめなくて、後ろへ倒れこんだ。
まるで犬みたいな君をみて、苦笑いがこぼれる。
「あー、ぁっ暇だねぇ」
俺の胸板に頭をのせた君の頭を撫でて、呟いた。
(暇は平和なのだと)
(わかってはいるけれど)
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