愛DOLL -risky-
□覚醒
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恐ろしいほどに整った美しい顔が自身の股間に埋れているのを、詩緒流は呆然とただ見詰めていた。
細く白い太腿の間に身を据えながら、その秀麗な男は詩緒流の目を見詰め続ける。
「……甘い香りだ…………」
口の端を微かに上げて低く囁くよう言うその言葉に、詩緒流の顔が瞬時に赤らんだ。
「っ! ……やっ…」
呆けていたため事の成り行きに流されてしまったが、理性を取り戻した途端の羞恥が、忘れかけていた激しい動悸を思い出させた。
「んんっ!!」
身を捩り逃げを打った途端にぬるりと濡れた感触に蝕まれ、詩緒流はわけも分からず違和感を感じた部分に目をやる。
じっと絡めた視線を外すことなく、男は長い舌を細く開いた唇から突き出した。
「…っ」
息を呑む詩緒流をじっと見据えたまま唇を笑みの形に歪めると、男は長く伸ばした舌で詩緒流の秘部を舐め始めた。
「っ!! やっ! あっんやぁっ!! ひぁぁっ」
胸を締め付けられるような息苦しさすら覚える経験した事のない未知の感覚に、詩緒流は口を大きく開き拒否の言葉を紡ごうとする。
だが口をついたのは、形にもならない悲鳴のような喘ぎだけ…
拒絶を示していた体の動きは瞬時に影を潜め、ぐったりと身を横たえ与えられる快楽に飲み込まれた詩緒流。
脚を広げられ、大きく割られた秘部を男の眼前に曝し、涙を溜めた瞳で男の忙しなく這い回る舌を、唇を、歯を…時折、詩緒流は男と絡めた視線を外して見入った。
「っはぁっ…んんっ………あっあっ…あぁっ………あぁぁんっ」
舌をぐいんと回して女芯を舐め回され、最後に掬い上げるように強く口腔に含まれる。
時計回りにそうされたかと思えば、すぐに開放され反対周りでちゅうっときつく吸われ、胸を締め上げる切ない快感に息を詰めた。
「…………男を知らない体…一目見て分かるのにな………」
そう呟いた男の舌が、ふいにずぶりと膣を穿った。
じわりと体内に注がれる何かに、詩緒流の目が見開かれる。
「……目覚めろ…詩緒流」
注がれたと思ったのは、単に男の唾液が溢れて流れただけかもしれない。
だが、詩緒流には確実に自分の中の何かがそれに反応した事が分かった。
得体の知れない恐怖…そのすぐ後に来たのは、膣から脳天まで突き抜ける、おぞましさすら感じるほどの焦燥と悦楽だった。