戦場の女神
□第六章
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コロニーの空を、カモメが渡っていく。
分厚い雲の向こうに、
ちょうどスージー・マスコビー・ハイのある陸地がわずかに輝いて見える。
「ゼハート! アセムくん! ほらほら! こっちこっち!」
「・・・ロマリー・・・はしゃぎ過ぎたら、怪我する」
ロマリー・ストーンとケイト・クロスフォートのビキニに包まれた若い肢体が、
砂浜に寄せては返す波に打たれるたび、
陽光をすかせてきらきらと輝いた。
ゼハートも健全な少年である。
少なくともスペースコロニーの回転運動の中でいかなる手法を用いてこのような波を実現しているのか、
という疑問を解決するよりは、
ロマリーとケイトの鎖骨から乳房、乳房から脇腹へと続く流麗なラインのほうが気になる、
というのが偽らざる事実であった。
アセムはケイトのビキニ姿に釘付けになる。
アセムの視線に気付いたケイトは、
アセムの方へ向かった。
「アセム・・・どうかした?」
「なっなんでもないよ!?」
いつの間にか、ケイトが顔を覗いていて驚き声が裏返ってしまった。
「へんな、アセム」
クスッ
ケイトは初めてアセムの前で笑った。
「・・・」
アセムはケイトの綺麗に笑う姿に、
見惚れていたのはまた別の話。