短編
□銀の少年と赤の少女
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ケイトは呼び出された場所へ向かう。
ケイトの通信機に、
普段なら有り得ない人物から連絡をもらったからだ。
「・・・・・・ゼハート」
ケイトは足を止める。
「来てくれたか」
ゼハートと顔をあわせるのは卒業式以来だ。
ゼハートは大仰な仮面をつけているが、
声で昔と変わっていないことがわかる。
「話って、何?」
「・・・単刀直入に言う、今すぐにガンダムのパイロットを降りるんだ」
「・・・・・・それは、出来ない。
ガンダムは、私と母様を繋ぐ唯一のもの、
だから」
ケイトの瞳の奥には決意が見えた。
「なら、私とヴェイガンへ」
ケイトは首を振った。
「・・・・・・」
「・・・アセムは私に沢山のモノ、与えてくれた。だから、アセムの為に何か・・・!」
ゼハートはケイトの腕を引っ張り、
抱き締めた。
(お前の中にはアセムしかいないのか!)
「ゼハート・・・?」
「少し、こうさせてくれ」
ゼハートの腕の力が少し強くなる。
まるで逃がさないように。