短編
□あるかもしれない世界
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白銀の髪の少女が歩いていると、後ろから名前を呼ばれた。
振り向いて見ると、こちらに向かって走ってくる白銀の髪の少女がいた。
「椿さん」
「今帰りですか紫苑さん?」
「はい」
椿は紫苑の返事を聞くと花を綻ばせたような表情をする。
「なら、一緒に帰りませんか?」
「えっ、でも…」
「先程、兄の見舞いに行った帰りに紫苑さんを見つけたんです」
「柊さんの…お元気でしたか?」
「えぇ、病気で入院しているようには思えないくらい!」
紫苑は想像でき、つい笑ってしまった。
それにつられて椿も笑う。