時を越えて

□第四話
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東京から京都に降り立った、片目を眼帯で隠した小学生の男の子と着物を着た男性がいた。

「はなを助けに行くぞ!」

「はぁ・・・あっ! 政宗様、前」

着物を着た男性、片倉小十郎が、言い終わる前に何かにぶつかった。

「はっ? わっ!」

ぶつかってしまい、後ろに倒れてしまった。

「いててっ、何す」


「だっ大丈夫ですか!?」

自分より年上の女性が慌てている。

「・・・」

「怪我とかなされたんじゃ!」

黙っていたために、怪我をしていたのだと、思ったのだろう。

「葛葉、どうかしましたか?」

そこに目の前の女性に幾分年上の男性が、女性の名を呼び近付いてきた。

「お父さん、私」

「あぁ、泣くないで下さい」

葛葉は涙目になる。

「ですが」

「あの、大丈夫ですか?」

男性が伊達政宗の方を見る。

「これぐらい大丈夫ですよ。それより」

小十郎が、涙目になっている葛葉を見る。

「すみません。娘は涙もろい子なので」



「大丈夫ですか!?」

「大丈夫・・・だ」

「本当に?」

「あぁ」

「良かったです」

「!」

笑い方が椿に似ている。いや。似ているんじゃない。

・・・もしかしてこいつ!
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