novel
□〜追憶の彼方へ〜
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この眼下から見下ろす景色も漆黒の闇にのまれてゆく、自分の欲深き醜い憎悪も嫉妬もこの闇が全てを隠してくれる………………
だから私は真夜中の静けさが好きなんだ……………………この暗闇に身体を預けていると、あの時の記憶がフラッシュバックする…………………………
彼が掌を差し伸べたのは、アナタじゃなくて私だったから…………その瞬間、アナタの大きな瞳の中に僅かな翳りが見えたのを私は見逃さなかった………………
悲痛に歪むその横顔を……………………………
私はずっと見ていたんだから…………………………………