夏目友人帳

□#6 怪物
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「はっ・・・はっ・・・!」

息があがる。
ある妖怪を追っている。
感じられるのは気配だけで、気配の方向へ走っているだけだ。

「・・・?。麗華、大丈夫か?
 ゆっくりでいいからいこう?」

夏目くんが私に手を差し伸べる。
私は夏目くんの手にそっと手を添える。

「うん・・・。ごめん。私・・・足手まといで・・・。」

夏目くんは私の手をぎゅっと握ってくれる。

「足手まといなんかじゃない!
 麗華は、辛い時も、俺のために頑張ってくれただろう??」

優しく、そして強く私に問いかける。

「…うん!ありがとうっ!」

「っ―――!?」

笑顔で答えると夏目くんは何故か赤くなる。

そして、私の頭を撫でながらこう言った。

「その笑顔は、的場さんに見せちゃダメだぞ?」

「??」

言葉の意味がわからず、首を傾げる私に夏目くんは、笑ってた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

「きゃあああああぁぁぁ!!!」

「麗華!!」

落下する私を受け止める夏目くん。

ちなみにいまは、洞窟の中。
何やら隠しのあながあったっぽい。

「ここは…」

いる…ここに。
全身の毛が逆立つほどの寒気に襲われる。

奥の方から女の人が出てくる。

「うろちょろとうるさいガキだな…。
 悪いが血をいただくぞ。
 あいつが来るからな!!」

夏目くんがいってた…!!
的場さんの…式!?

あいつ…??

刀を振りかざしてくる式。

その前に飛び出してまばゆい光を放つニャンコ先生―――。

「先せ…―――!!」

(麗華!)

ニャンコ先生を、かばいにかかった私を夏目くんがかばう。

振りかかる刀を名取さんが木の棒で止める。

「さがりなさい!
 夏目、麗華!」

「名取さん!?」

「私の光が聞かなかったぞ…!?」

――――――え?

じゃあ…あの人は―――――

「あなたは…人…?」

「勿論」

ってことは…的場さんの式ではない?

「血を集めているのは私だ
 的場を…あの男を食ってくれるような妖を目覚めさせるためさ」

後ろを見てみるととても巨大な妖がいた。

「だが…まだ血が足りないんだ。
 もらうぞ」

後ろから、カサッという音がする。

刃物がギラッと光って私たちに襲いかかる。

「ちっ!!キリがない!」

ニャンコ先生が本来の姿にもどる。

そのとき私が目にしたのは矢を引いた的場さんだった…。

「危ないっ――――…!」

咄嗟に身を乗り出して庇おうとした。
たが…間に合わなかった。

『ドスッ』

ニャンコ先生の体に矢が刺さる。

私の腕に残ったのは裂けるようにできた傷のあとだった。

「いたっ…。」

私の腕からは赤い液体が流れだしたがそれよりも目に入ったのは横からぼたぼたと横から零れだす液体だった。

「先生!血がっ…!」

その時私は硬直した。

その理由は怪しく光ったいた先生の目だった。

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