カゲロウデイズ

□暗所恐怖症
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チッチッと時計の針が動く。

カチャっと音の鳴るティーカップ。

ここはメカクシ団の本拠地。

「暇だねぇ・・・」

猫目の少年、カノさんが呟く。

「もう外は暗いぞ」

「団長の言うとおりです。」

団長のキドさんの後に続いて私、レインが言う。

「じゃあ、レインは暇じゃないの?」

「暇・・・です・・けど・・・」

ためらいを持ちながら呟く。

「じゃあ、ゲームでもやろーk・・」

『バチッ』

カノさんが最後の一言を呟こうとしたときに部屋が真っ暗になった。

「?!」

「ブレーカーが落ちたな」

「へ〜。停電ってけっこういきなりだねぇ」

笑いながらカノさんが呟くが私の状況と言えばそんな物ではなかった。

ふるふると体が震える。
怖い・・暗い・・・

恐怖心が私の体を襲う。

「お、おい!レイン?大丈夫か?」

ゆさゆさと体をキドさんに揺すられる。

「っ――――・・・!?」

ポロポロ涙が流れる。

怖い…寒い・・・。

あまりの恐怖にパニックっていた私は一番近くに座っていたカノさんに抱きついた。

「え?レイン?」

すこし驚いた表情を見せるカノさん。

「こわ・・い・・。ひっく」

カノさんにしがみついて涙を流す私。

それを見てカノさんはにやっと笑うと私をやさしく抱きしめた。

「っ!?」

「どうしたの?怖くないの?」

顔を上げた私に意地悪そうに笑って言う。

いつもそんなに泣かない私がないてまるでそれを面白がっているように。

それから15分程たったときだった。

『パチッ』

部屋が光りで明るくなる。

「レイン?電気ついたよ?」

カノさんが私に言うけど私は聞こえない。

だって私はその頃、カノさんの暖かさに包まれて築いたときには眠りに落ちていたのだから。

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