書庫・WA
□ほっと一息
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午前3時・401号室。
「時任〜、セーブしないの?」
「……はっ、あ!セーブ〜……んん…」
ボスの催眠魔法にかなり苦労していた時任だけど、リアルの眠気にも負けたみたい。
セーブして電源を切って、やっと寝室に入ってくれた。
「久保ちゃん、寒い…」
「ん〜、そろそろちょっと厚いの使うべきかなぁ。」
とりあえず今はコレで我慢してほしいな、と思いながら時任の腰に腕を回して密着する。
布団の隙間が無くなって、さらにお互いの体温で随分暖かくなった。
「おやすみ、時任」
「お。おやすみ…」
只でさえ暗い寝室、時任の顔は見えない。
けれどこうして抱き締めていると、時任がモゾモゾ身じろぐのがダイレクトに伝わってきて、そっと問い掛ける。
「何、トイレ?」
「や…ちがっ、手ぇ入れんなっ…!」
「お腹ゴロゴロしてる…」
「うわ、ぁ…っ――」
タンクトップの裾から滑り込ませた手でスベスベなお腹を撫でると、時任が声を上げた。
すぐに口ごもった所で、分かり易くまたお腹が鳴る。
本人曰わく、晩ご飯のカレーもおかわりせずにゲームの時間を稼いだツケが今更回ってきたらしい。
集中力が切れた後の空腹。分からないこともない…かも。
「なぁ何かあったっけ…」
「ん〜、どうだろ」
既にヤバめだったカレーは晩に全部食べきってしまったし、ラーメンも無いしなぁ。
考えていたら俺もお腹が減ってきた。
「あぁ、こんな時のためのアレだぁね…」
1つイイ物を思い出した俺は、時任をベッドに残してキッチンへ消える。
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